新型コロナウイルス感染症の影響を大幅に受けたことで、業務改革のためにBPRの実施を検討している企業も少なくありません。
しかし、BPRのやり方や活用すべきツールが分からない担当者も多いはずです。
そこで本記事では、BPRを実施するメリットや実施する手順・おすすめのツール、種類について解説します。 これからBPRの実施を検討している担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
1.BPRの意味や目的
BPR(Business Process Reengineering)とは:
自社の業務内容や業務フロー・組織構造など、会社全体を根本的に一から見直すこと。
必要となるビジネスフローは、主流となる商品やサービス・市場動向など、時代の変化に伴い変わっていきます。
そのため、会社全体を根本的に一から見直すことによって、問題点を洗い出し、業務の効率化や生産性の向上につなげるのが主な目的です。
2.BPRを実施する3つのメリット
BPRを実施するメリットは、以下の3つです。
- 企業の生産性向上
- 業務改善点が明確になる
- 顧客満足度と従業員満足度アップ
一つずつ解説します。
2-1.企業の生産性向上
従業員数や部署が多い企業の場合、全体の業務について把握するのは非常に難しい傾向です。
そのため、いつのまにか業務フローが複雑化したり不要な業務が増えたりすることも珍しくありません。
BPRを実施することで、一から業務内容や業務フローなどを見直せるため、不要な業務や問題点を改善することで、生産性の向上に期待できます。
2-2.業務改善点が明確になる
BPRを実施することで、企業全体の業務フローや組織の現状が見直され、社内の根本的なボトルネックの把握や改善にもつながります。
業務改善点が明確になることで、抜本的な計画も立てやすくなるはずです。
2-3.顧客満足度と従業員満足度アップ
BPRを実施することで、業務フローや組織構造の最適化・働き方改革などが促進されます。
その結果、業務の効率化やコミュニケーションの活性化につながり、快適な職場環境を実現可能です。
快適な職場環境によって従業員満足度がアップすることで、以前よりもクオリティの高い商品やサービスを提供できるようになるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
3.BPRを実施する方法
BPRは、以下の5ステップで実施可能です。
- 検討
- 分析
- 設計
- 実施
- モニタリング・評価
一つずつ順番に見ていきましょう。
3-1.検討
どのような目的や目標を掲げてBPRを実施するのか検討します。BPRは、業務プロセスや現在の組織構造について大規模な改革を行うため、検討の段階で考え方にすれ違いが発生すると、ビジネスプロセスにもズレが生じる可能性があります。
そのため、社内の考え方のすり合わせは非常に重要です。BPRの対象範囲についても決めておきましょう。
3-2.分析
十分な検討が完了したら、これまでの業務フローや業務内容などを明確にした上で分析します。
実際の現場にいる従業員にしか分からないこともあるはずなので、さまざまな観点から分析することが大切です。
3-3.設計
業務フローや業務内容などを分析後、どのような業務改革を進めていくべきなのか、BPRの設計方針を決めていきます。
ツールを用いながら優先順位を決めていき、社内のビジネスプロセスの標準化も一緒に行いましょう。
3-4.実施
設計まで進んだら、BPRの準備は完了です。準備した内容を基に、BPRを実施していきます。
BPRは非常に大規模な業務改革になるため、社内の混乱や反対についてもある程度、予測しておかなければなりません。社内全体でしっかりとコミュニケーションを取りながら準備を進め、リスクを最小限に抑えることが大切です。
3-5.モニタリング・評価
BPRを実施後、効果測定のためにモニタリングと評価を行います。
「BPRを実施したことで社内の業務改革がどれくらい進んだのか」「設計したビジネスプロセスが機能しているか」など、一つずつ把握していきましょう。
4.BPRにおすすめのツールの種類について
BPRを実施する際に検討すべきツールの種類は、以下の4つです。
- RPA
- チャットボット
- クラウドサービス
- AI
順番に解説します。
4-1.RPA
RPA(Robotic Process Automation)とは:
PC上で行う業務をソフトウェアによって組み込まれたロボットが自動で代行してくれるシステムのこと。
RPAを導入することで、以下のような業務を代行してくれます。
- システムの管理
- データの登録や転記
- 社内で利用しているアプリの操作
BPRの実施に伴いRPAを導入することで、さらなる業務効率化に期待できます。
4-2.チャットボット
チャットボットとは、人間同士が行うチャットをロボットが代わりに自動で対応するサービスのことです。
チャットボットは、大きく分けて2つの種類があります。
- 一問一答型:事前に用意した問答を設定することで、ユーザーの質問に対して迅速に回答する
- 対話型:AIを組み込むことによって、質問に対して人間のような会話が可能となる
チャットボットを導入することで、ユーザーに対する自動の相談窓口として利用することが可能です。
4-3.クラウドサービス
クラウドサービスも非常におすすめです。クラウドサービスは、サーバーや周辺機器を用意する必要がないので、コストの削減につながります。
また、自分たちでメンテナンスを行う必要もないので、運用コストの負担も軽減できます。時間や場所による制限もないため、リモートワークとの相性も抜群です。
4-4.AI
AI機能が搭載されたサービスを導入することで、複雑な作業まで自動で処理してくれるため、大幅な業務の効率化に期待できます。
ただし、正確に判断ができるようになるまで、ある程度の期間が必要です。
5.BPR向けのおすすめツールとサービスをご紹介!
ここからは、実際にBPR関連のツールを提供するプロダクトやサービスをご紹介します。
ツールそれぞれに導入する目的や特徴は異なりますので、自社の業務改革プロセスにおいて、どの部分に貢献できるのか検討してみてください。
5-1.iGrafx/BPR +
iGrafx/BPR +は、BPRの進め方のうち「検討」「分析」フェーズに対応可能なツールです。具体的には、誰でも簡単に業務フローを可視化するためのフローチャートを作成できます。
また単なるチャート作成にとどまらず各フローにおける処理の詳細や、業務ポイントなどもフローチャート上の図形に埋め込むことが可能です。
視覚的な分かりやすさだけでなく、業務の詳細情報を可視化することで、業務洗い出しや業務効率化を達成するためのウィークポイントの把握におすすめです。
一からExcelなどを活用してフローチャートを作成するのでは手間がかかりますが、簡単な操作で図形を挿入できるため、担当者の負担も軽減できるでしょう。
5-2.業務改善BPR支援サービス|TIS株式会社
社会基盤をITの力でサポートとするTIS株式会社が提供するサービスが「業務改善BPR支援サービス」です。
業務改善コンサルを基軸として、業務改革および業務改善フェーズに導入すべきITソリューションの検討から実施までワンストップに対応します。
BPRの進め方でご紹介した以下のステップにすべて対応できるのがTIS株式会社の強みではないでしょうか。
- 検討
- 分析
- 設計
- 実施
- モニタリング・評価
5-3.BPR(業務改革)支援サービス|コムテック株式会社
コムテック株式会社が提供している「BPR(業務改革)支援サービス」です。BPR業務担当者へのヒアリングを実施し、その内容から業務フロー図を作成することで業務を可視化します。
その上で、生産性向上を妨げている要因はどこにあるのかを分析し、課題を抽出、さらには改善案の提案につなげる一連のサービスです。
また、安定的な運用を実現するための「運用支援」もサービスに含まれており、効果分析もお任せできます。
6.まとめ
本記事では、BPRを実施するメリットや実施方法・おすすめのツール、種類について解説しました。
BPRを実施することで生産性がアップしたり、顧客満足度と従業員満足度の向上につながったりします。
本記事でご紹介したツールを活用し、自社における業務内容や業務プロセスの根本的な見直しを行ってみてはいかがでしょうか。