プロジェクトやメンバーの進捗状況を逐一把握することを目的として、タスク管理ツールを導入している企業も増えてきています。
しかし、タスク管理ツールに搭載されている機能についてあまり把握していない担当者も少なくありません。
また、タスク管理ツールは種類が豊富にあるので、どのように選べばいいのか分からないという担当者も多いはずです。
そこで本記事では、タスク管理ツールの基礎知識や導入するメリット・選ぶ上でのポイントなどについて解説します。 おすすめのタスク管理ツールもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.タスク管理ツールとは?搭載されている機能について
タスク管理ツールとは、名前の通りプロジェクトまたはメンバーの進捗状況・個人の課題などを管理することが可能なツールのことです。
タスク管理ツールを導入することで、さまざまなデータを一元管理できるので、管理工数の削減が期待できます。
タスク管理ツールには、以下のような機能が搭載されています。
- TODOリスト機能:タスクを可視化して、優先順位をつけながら管理できる
- プロジェクト管理機能:ボードを作成することで、チームやプロジェクトの進捗状況を逐一把握できる
- スケジュール管理機能:タスクの開始日と終了日を自由に設定して、カレンダーに表示できる
- レポート機能:タスク管理ツールに蓄積されたデータを基に、タスクにかかった工数や進捗状況などをグラフ化できる
- 情報共有機能:ファイルを共有したりデータにコメントを加えたりできる
- アラーム機能:期限の近いタスクがある場合には、アラームによってメンバーに通知できる
上記のほかにも、タスク管理ツールによってさまざまな便利機能が搭載されています。
そのため、タスク管理ツールを選ぶ上での一つの判断基準にするのがおすすめです。
1-1.タスク管理ツールが注目を浴びている理由
タスク管理ツールが注目を浴びている理由として挙げられるのが、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークの普及です。
2020年2月から流行した新型コロナウイルス感染症によって、多くの企業でテレワークを推進するようになりました。
その結果、生産性の向上やコストの削減など、さまざまな効果が実感できた企業も多いはずです。
しかし、オフィスに出社していたときと比較してメンバー同士でコミュニケーションを取る機会が格段に減ったことで、タスクの抜け漏れが生じるようになりました。
また、メンバーがどのような業務をどのくらいの進捗状況で実施しているのか、管理するのも難しくなりました。
それらの問題を解決する方法として、多くの企業でタスク管理ツールが導入されるようになったのです。
2.タスク管理ツールを導入する3つのメリット
タスク管理ツールを導入するメリットは、以下の3つです。
- 業務クオリティが向上する
- コストを削減できる
- コミュニケーションの活性化につながる
順番に解説します。
2-1.業務クオリティが向上する
タスク管理がしっかりできていないと、業務において抜け漏れが生じてしまいます。
その結果、クレームにつながってしまうのです。
しかし、タスク管理ツールを導入することで、業務の進捗状況を正確に把握できるようになります。
メンバーも自分のやるべき業務に集中して取り組めるため、業務クオリティの向上が期待できるのです。
2-2.コストを削減できる
人手不足の影響で定時まで業務が終わらず、必然的に残業が発生してしまう企業も少なくありません。
その結果、企業にかかるコストにおいて残業代が大きな割合を占めていることもあります。
タスク管理ツールでは、一人ひとりのタスク状況を明確に可視化できます。
メンバーがあらかじめ計画を立てることで業務の効率化につながり、業務時間の短縮によって残業代のコストを削減できるのです。
2-3. コミュニケーションの活性化につながる
テレワークによって、メンバー同士でコミュニケーションを取る機会が少なくなってきています。
そのため、孤独感を抱いているメンバーも多いはずです。
タスク管理ツールでは、それぞれのメンバーの進捗状況を詳細に管理できるので、リーダーを中心に情報を共有し合うことで、お互いに助け合うことができます。
その結果、メンバー同士で連携する機会が自然と増えていくので、コミュニケーションの活性化につながるのです。
3.タスク管理ツールを導入する2つのデメリット
タスク管理ツールの導入は、メリットだけでなくデメリットもあります。
主なデメリットは以下の2つです。
- 導入コストがかかる
- メンバーがプレッシャーに感じてしまうこともある
一つずつ解説します。
3-1.導入コストがかかる
タスク管理ツールは、導入するにあたって費用がかかります。
無料で利用できるタスク管理ツールもありますが、機能が制限されていたり利用できる人数が限られていたりすることがほとんどのため、注意が必要です。
また、導入当初は操作方法が慣れずに使いづらいと感じてしまうかもしれません。
3-2.メンバーがプレッシャーに感じてしまうこともある
タスク管理ツールを導入することで、一人ひとりの進捗状況が明確に可視化されるようになります。
そのため、メンバーによっては常に監視されているような気分となるため、プレッシャーに感じてしまうことも少なくありません。
4.タスク管理ツールを選ぶ上での5つのポイント
タスク管理ツールは種類が豊富にあるので、どのように選べばいいのか分からないという担当者も多いはずです。
以下の5つのポイントを意識した上でタスク管理ツールを選びましょう。
- 自社が求めている機能が搭載されているか
- 適正な価格か
- トライアル期間があるか
- サポートが充実しているか
- 導入実績が豊富か
順番に解説します。
4-1.自社が求めている機能が搭載されているか
タスク管理ツールでは、基本的な機能としてTODOリスト機能やスケジュール管理機能・レポート機能などが搭載されています。
そのほかにも、ツールによって搭載されている機能が異なるため、自社が求めている機能が搭載されているかどうかを必ず確認しましょう。
4-2.適正な価格か
タスク管理ツールによって、毎月かかるコストも異なります。
機能が豊富でサポートも充実しているほど、毎月かかるコストは高額になるため、自社に合った適正な価格のタスク管理ツールを選ぶことが大切です。
価格が掲載されていないタスク管理ツールもあるので、そんなときには一度お問い合わせをしてみましょう。
4-3.トライアル期間があるか
タスク管理ツールを選ぶ上で重要になってくるのが操作性です。
なぜなら、たとえ機能が豊富に搭載されているタスク管理ツールを選んだとしても、操作するのが難しければ、すべての機能を使いこなせない可能性が非常に高いからです。
契約した後に操作性が悪いと気づいた場合には、解約するのに余計な手間やコストがかかってしまいもったいないので、トライアル期間があるタスク管理ツールを選びましょう。
4-4.サポートが充実しているか
タスク管理ツールを利用していく上で、途中で操作方法が分からなくなったり、不具合やトラブルが発生したりすることも少なくありません。
そのようなときに迅速なサポートが受けられるかどうかも重要なポイントです。
初めてタスク管理ツールを導入するのであれば、サポートの充実度を一つの判断基準にしてみましょう。
また、プランによってサポートの度合いが異なるタスク管理ツールを選んだ場合には、自社の予算状況に合わせて検討するのがおすすめです。
4-5.導入実績が豊富か
タスク管理ツールは種類が豊富にあります。
そのため、どれにするか迷った場合には、なるべく導入実績が豊富なタスク管理ツールを選びましょう。
なぜなら、「導入実績が豊富にある=多くの企業が導入している満足度の高いタスク管理ツール」だからです。
導入実績はオフィシャルサイトに掲載されているので、必ずチェックしましょう。
5.タスク管理ツールを導入する手順
タスク管理ツールは、以下の5ステップで導入できます。
- 現状を把握する
- 導入するスケジュールを決める
- タスク管理ツールを選定する
- 実際にタスク管理ツールを導入する
- 評価・改善する
順番に解説します。
5-1.現状を把握する
タスク管理ツールを導入するにあたって、「具体的にどのような部分が課題となっているのか」現状を把握します。
業務における課題については、実際の現場で働いているメンバーが一番分かっているはずです。
そのため、現状を把握する上でメンバーの意見もしっかりくみ取りましょう。
5-2.導入するスケジュールを決める
現状を把握したら、タスク管理ツールを導入するスケジュールを決めていきます。
タスク管理ツールは慣れるまで時間がかかるため、導入当初は従業員の負担になることも少なくありません。
そのため、なるべく繁忙期を避けて導入することを意識しましょう。
5-3.タスク管理ツールを選定する
自社に導入するタスク管理ツールを選定していきます。
毎月かかる費用や搭載されている機能・導入実績などを加味した上で、自社に合ったタスク管理ツール選びましょう。
5-4.実際にタスク管理ツールを導入する
実際にタスク管理ツールを導入します。
最初からすべてのタスクを管理しようとすると、従業員の負担が大きくなり混乱が生じてしまうので、まずはスモールスタートで行うことが大切です。
グループのリーダーを中心に、メンバー全員で使い方を確認しながら少しずつ操作方法を覚えていきましょう。
5-5.評価・改善する
ある程度の期間が経過したら、実際にタスク管理ツールを導入してみてどうだったのか、評価・改善していきます。
以下の内容を中心にメンバー同士で話し合いましょう。
- 使いやすかったか
- 機能に不満はなかったか
- どのような課題を感じたか
- 導入する前と導入した後でどのような変化があったか
評価した内容を基に改善が必要であれば、プランを変更したり新たに別のタスク管理ツールを導入したりするといった対策を講じましょう。
6.おすすめのタスク管理ツール6選
タスク管理ツールのなかでもおすすめなのが以下の6つです。
- Backlog|株式会社ヌーラボ
- Trello|アトラシアン株式会社
- Asana|Asana Japan株式会社
- Microsoft To Do|日本マイクロソフト株式会社
- Jira Software|アトラシアン株式会社
- Jooto|株式会社PR TIMES
一つずつご紹介します。
6-1.Backlog|株式会社ヌーラボ
提供会社 | 株式会社ヌーラボ |
料金 | スタータープラン:2,970円/月 スタンダードプラン:17,600円/月 プレミアムプラン:29,700円/月 プラチナプラン:82,500円/月 |
主な特徴 | Web制作やソフトウェア開発など、さまざまな業種で使われている SlackやChatWork・Microsoft Teamsなどのアプリと連携が可能 豊富な料金プラン |
株式会社ヌーラボが提供しているBacklogは、さまざまな業種において利用されているタスク管理ツールです。
シンプルなデザインと直感的な操作が可能なため、初めて利用する方でも使いやすい傾向です。
バグ管理システムやバージョン管理システムなど、機能も豊富に搭載されており、SlackやChatWork・Microsoft Teamsなどのアプリとも連携できます。
料金プランは全部で4種類ありますが、小〜中規模の部署またはチームであれば、プレミアムプランがおすすめです。
6-2.Trello|アトラシアン株式会社
提供会社 | アトラシアン株式会社 |
料金 | フリープラン:無料スタンダードプラン:5ドル/月プレミアムプラン:10ドル/月エンタープライズプラン:17.5ドル/月 |
主な特徴 | 世界中で活用されているタスク管理ツールカンバン方式でタスクを管理できる拡張機能が充実している |
アトラシアン株式会社が提供しているTrelloは、世界で200万以上のチームが利用しているタスク管理ツールです。
タスクが書かれているカードを自由に移動できるカンバン方式となっています。
拡張機能が充実しているので、それぞれのメンバーが使いやすいように自由にカスタマイズすることが可能です。
6-3.Asana|Asana Japan株式会社
提供会社 | Asana |
料金 | ベーシックプラン:無料プレミアムプラン:1,200円/月(年間払いの場合の月額換算)ビジネスプラン:2,700円/月(年間払いの場合の月額換算)エンタープライズプラン:要相談 |
主な特徴 | 無料で利用できる100以上のアプリと連携可能オートメーション機能を搭載 |
Asana Japan株式会社が提供しているAsanaは、世界190ヵ国で100万以上のチームが活用しているタスク管理ツールです。
Googleをはじめとする100以上のアプリと連携ができるので、導入もスムーズです。
また、オートメーション機能も搭載しており、一部の業務を自動化できるので、大幅な業務の効率化につながります。
エンタープライズプランをご希望の場合には要相談となりますので、一度お問い合わせをしてみましょう。
6-4.Microsoft To Do|日本マイクロソフト株式会社
提供会社 | マイクロソフトコーポレーション |
料金 | 無料 |
主な特徴 | 完全無料で利用できるパソコンだけではなくスマートフォンでも使用可能UIがシンプル |
日本マイクロソフト株式会社が提供しているMicrosoft To Doは、アカウントを作成すれば誰でも無料で利用できるタスク管理ツールです。
ほかのMicrosoftサービスとの連携も容易に可能です。UIも非常にシンプルで、クラウド上でデータ管理ができます。
そのため、パソコンだけでなくスマートフォンでもタスク状況を逐一確認できます。
6-5.Jira Software|アトラシアン株式会社
提供会社 | アトラシアン株式会社 |
料金 | フリープラン:無料スタンダードプラン:920円/月プレミアムプラン:1,810円/月エンタープライズプラン:要相談 |
主な特徴 | スクラムボードが利用できる万全のセキュリティ4種類のプランから選べる |
Jira Softwareは、Trelloも提供しているアトラシアン株式会社によるタスク管理ツールです。
カンバン方式ではなく、大規模なプロジェクトでも管理できるスクラムボード方式となっています。
そのため、メンバーが多いチームにおすすめです。
2段階認証が義務付けられているため、セキュリティ対策も万全となっています。
メンバーが10名までであれば、フリープランによって無料で利用できます。
しかし、使用可能な機能が限られるため、自社に合ったプランを選びましょう。
6-6.Jooto|株式会社PR TIMES
提供会社 | 株式会社PR TIMES |
料金 | 無料プラン:無料スタンダードプラン:417円/月エンタープライズプラン:980円/月タスクDXプラン:要相談 |
主な特徴 | 4人まで無料で利用できる1,900社以上が有料導入充実したサポート体制 |
株式会社PR TIMESが提供しているJootoは、1,900社以上の企業が有料プランで導入している人気のタスク管理ツールです。
カンバン方式を採用しており、基本的にドラッグ&ドロップだけで容易に操作可能です。
オンラインセミナーや電話サポート・個別相談なども承っており、サポート体制が充実しているので、安心して利用できます。
7.タスク管理ツールの導入に伴いBPRの実施も検討しよう
タスク管理ツールの導入に伴い、併せてBPRの実施も検討しましょう。
BPRとは「Business Process Re-engineering」の略称であり、業務内容や業務フロー・組織の構造などを全体的に見直す施策のことです。
元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー氏と、経営コンサルタントのジェイムス・チャンピー氏の2名が提唱した施策であり、1990年代のアメリカで誕生しました。
BPRを実施することで、業務の効率化や顧客満足度の向上などが期待できます。
ただし、BPRを成功させるためには専門的な知識やスキルが必要となってくるので、自社で実施するのが不安であれば、コンサルタントの活用も検討しましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>BPRとは?目的やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説!
>>BPRでコンサルタントを活用するメリットや選ぶときのポイントなどを解説!
8.まとめ
本記事では、タスク管理ツールの基礎知識や導入するメリット・選ぶ上でのポイント・おすすめのタスク管理ツールなどについて解説しました。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、リモートワークを実施する企業が増えてきているので、タスク管理ツールは必要不可欠となってきています。
タスク管理ツールによって特徴が大きく異なるので、選ぶ際には搭載されている機能や価格・サポート内容などを必ず確認しましょう。
どれにするか迷っているのであれば、本記事でご紹介したおすすめのタスク管理ツールのなかから検討してみてください。
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