BPRを実施するメリットやデメリット・活かせる資格5選についても解説!

新型コロナウイルス感染症や少子高齢化による労働人口の減少などが原因で、BPRの実施を検討する企業も増えてきています。

しかし、国内の企業でBPRを実施したという公開事例は少ないので、BPRがどのような施策なのか理解していない担当者も多いはずです。

そのため、BPRを実施するにあたって活用できる資格を取得しようと検討している担当者も少なくありません。

そこで本記事では、BPRについての基礎知識や実施するメリット・デメリット・BPRを実施するにあたって活かせる資格などについて解説します。

少しでもBPRに関する知識を身につけたい担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

1.BPRとは?BPMやBPRとの違いについて

BPRとは、「Business Process Re-engineering」の略称であり、これまでの業務内容や業務プロセス・組織の構造など、業務プロセス全体を根本的に見直す施策のことです。

BPRを実施することによって、業務の効率化やコストの削減などが期待できます。

1990年代のアメリカにて、元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー氏と経営コンサルタントのジェイムス・チャンピー氏が提唱したことで誕生しました。

その後、1993年に「リエンジニアリング革命」が出版されたことで世界でも注目を集め、当時の日本でも多くの企業が実施しました。

BPRと似ている言葉として「BPM」と「BPO」があります。

それぞれの意味は以下の通りです。

  • BPM:「Business Process Management」の略称であり、業務プロセスを可視化してボトルネックを洗い出し、継続的に改善する施策
  • BPO:「Business Process Outsourcing」の略称であり、自分たちの業務を専門の業者へ委託する施策

それぞれ一文字しか違いませんが、意味は大きく異なるので、間違えないように注意しましょう。

BPMとBPRの3つの違いや実施するメリット・実施方法などについて解説!
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2.BPRを実施するメリット・デメリット

BPRを実施するメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット業務の効率化につながる従業員満足度や顧客満足度が向上するヒューマンエラーが起きにくくなる
デメリット従業員の負担が大きいコストがかかる

BPRは、業務プロセス全体を根本的に見直すので、既存の業務内容や業務フローにおけるボトルネックを洗い出して改善することが可能です。

その結果、業務の効率化につながります。

また、最新のシステムやツールを導入することもあるので、一部の業務が自動化となり、ヒューマンエラーが起きにくくなるのもメリットです。

しかし、BPRを実施するためには従業員の協力が必要不可欠です。

通常の業務と並行してBPRを実施しなければいけないので、従業員の負担が大きくなり、不満の声が挙がる可能性があります。

また、最新のシステムやツールの導入はそれなりにコストがかかるので、実施する前には必ず予算を確保しておきましょう。

3.BPRを実施するための5つのステップ

BPRは、以下の5ステップで実施可能です。

  1. 検討:BPRを実施する目的や対象とする業務範囲などを設定する
  • 分析:自分たちに合った分析ツールや手法などを活用してボトルネックを洗い出す
  • 設計:分析段階で洗い出したボトルネックを改善するための戦略を立てる
  • 実施:短期的な目標を細かく設定し、従業員のモチベーションを維持しながらBPRを実施する
  • モニタリング・評価:実施しているBPRの内容をモニタリング・評価して、修正点があれば迅速に対応する

詳しくは以下の記事をご覧ください。

BPRの進め方とは?目的や手法・メリットについても解説!

4.BPRを実施するにあたって活かせる資格5選

BPRに特化した資格は現状ありませんが、活かせる資格はあります。

BPRを実施するにあたって、おすすめの資格は以下の5つです。

  • BPIE
  • ITストラテジスト
  • ITコーディネータ
  • 中小企業診断士
  • マーケティング・ビジネス実務検定

一つずつ解説します。

4-1.BPIE

BPIEとは「Business Process Innovation Engineer」の略称であり、経営課題を解決することを目的として誕生した資格です。

BPIEの資格を取得することで、業務全体を可視化するための知識やスキルが身につきます。

知識試験とスキル試験の2種類に分かれており、正答率が60%以上で合格です。

受験資格に制限はなく、オンラインでの試験となるので、気になる担当者はエントリーしてみましょう。

なお本資格にあたっては、商標登録第4780446号として「一般社団法人 日本経営管理協会(JIMA)」が商標権者です。

検定試験の概要は、以下よりご確認ください。

参考:BPIE資格取得・検定|一般社団法人 日本経営管理協会(JIMA)

4-2.ITストラテジスト

ITストラテジストとは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が2009年から認定している高度情報処理技術者試験の一区分であり国家資格です。

情報処理技術者試験のなかでも最高難易度のスキルレベル4に相当するため、受験可能な対象者も限られており、合格率は15%未満ともいわれています。

ビジネスを成功に導くためのCIOやCTO、ITコンサルとして活躍される方にもおすすめできる資格です。

そのため、資格を取得することができれば、事業戦略や事業計画・経営戦略などにおけるプロとして認定されます。

試験の概要については、以下を参考にしてください。

参考:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

4-3.ITコーディネータ

ITコーディネータは、2001年に通商産業省(現:経済産業省)によって認定された資格です。

ITコーディネータの資格を取得することで、経営に結びつくITサービスの支援が可能なプロとして認められます。

資格取得者は既に1万人を超えており、試験に合格して研修を修了することで資格が発行されます。

なお、ITコーディネータ制度と同時に推進機構として特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が2001年に創設されました。

資格制度の概要については、以下よりご確認ください。

参考:ITコーディネータをめざす方へ|ITC資格取得サイト

4-4.中小企業診断士

中小企業診断士とは、「中小企業支援法」第11条に基づいて誕生した国家資格です。

中小企業診断士の資格を取得することで、中小企業の経営課題をヒアリングして問題点を洗い出し、助言が行えるようになります。

1次試験に合格すると、以下の2通りから次のステップが選べます。

  • 中小企業基盤整備機構もしくは登録要請機関が実施する養成課程を修了する
  • 中小企業診断士第2次試験に合格してから実務補習の修了もしくは診断実務に従事する

どちらかの条件を満たすことで、資格が取得できます。

中小企業診断士の業務内容は、企業の成長戦略の策定を担ったり、策定した成長戦略を実行するための経営計画を立案したりと、BPRとも親和性が高いでしょう。

中小企業診断士試験の概要については、以下を参考にしてみてください。

参考:中小企業診断士試験|一般社団法人 中小企業診断協会

4-5.マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング・ビジネス実務検定とは、マーケティングにおける基礎から、実務でも活用できる知識まで網羅的に身につけていることを証明できる資格です。

マーケティングは売り上げを伸ばす仕組みを構築するためにも欠かせないスキルのため、取得しておくのがおすすめです。

難易度はA〜C級の3段階に分かれており、最も難易度が低いのがC級です。

そのため、初めての方はC級から受験してみましょう。

詳しい検定の内容は、以下のページを確認してみてください。

参考:マーケティング・ビジネス実務検定とは?|国際実務マーケティング協会

5.書籍を読んだり研修に参加したりするのもおすすめ

BPRを学習したいのであれば、活用できそうな資格を取得するだけでなく、書籍を読んだり研修に参加したりするのもおすすめです。

書籍は、情報の整合性が高く小額投資で学習できるため、コストパフォーマンスに優れています。

また、研修ではBPRの基礎知識から現場で使えるスキルまで実戦ベースで学べるため、効率的な学習が可能です。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

BPRを学べるおすすめの本10選!メリットや進め方についても解説!
BPRの学習におすすめの研修情報や実施するメリットなどを解説!

6.まとめ

本記事では、BPRについての基礎知識や実施するメリット・デメリット・BPRを実施するにあたって活かせる資格などについて解説しました。

BPRを実施することで、業務の効率化やヒューマンエラーの防止などにつながります。

BPRに直接関わるような資格はありませんが、BPRを実施するにあたって活かせる資格はいくつかあるので、本記事を参考に資格の取得を検討してみてください。

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