- 1.BPRとは?業務改革との違いについて
- 2.BPRを実施する3つのメリット
- 3.BPRを実施するための5つのステップ
- 4.BPRを学べるおすすめの本10選
- 4-1.最強の業務改革―利益と競争力を確保し続ける統合的改革モデル
- 4-2.上流モデリングによる業務改善手法入門
- 4-3.業務改革の教科書:成功率9割のプロが教える全ノウハウ (日本経済新聞出版)
- 4-4.儲かるメーカー改善の急所〈101項〉
- 4-5.業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ
- 4-6.6ステップで職場が変わる!業務改善ハンドブック
- 4-7.業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮したExcel実践の授業
- 4-8.マンガでわかる業務改善プロジェクト新米プロマネ、奮闘中!
- 4-9.「ムダ時間を減らし」「ムダ時間を防ぐ」業務改善入門 (PARADE BOOKS)
- 4-10.チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策
- 5.まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響によって、業績が大幅に悪化した企業も少なくありません。そのため、最近ではBPRの実施を検討する企業も増えてきました。
しかし、BPRという言葉の意味や実施方法について理解していない担当者も多いはずです。
国内ではBPRを実施している企業はまだ少ないのが現状で、BPRを学びたいのであれば、手軽に学習ができる本がおすすめです。
そこで本記事では、BPRを学べるおすすめの本やBPRを実施するメリット・BPRを実施するためのステップなどについてご紹介します。 これからBPRの実施を検討している担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
1.BPRとは?業務改革との違いについて
BPR(Business Process Re-engineering)とは:
業務フローや業務内容・組織の構造などを根本的に見直す業務改革のこと。
BPRという考え方は、元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー博士と経営コンサルタントのジェイムス・チャンピー氏が発表した「リエンジニアリング革命」によって、世界中から注目を浴びました。
BPRを実施することによって、業務の効率化やコストの削減などに期待できます。
BPRと似ている言葉として使われるのが業務改善です。BPRはプロセス全体を見直しますが、業務改善はあくまでも既存のプロセスを軸にして一部の業務フローや業務内容などを部分的に改善していきます。
改善するという意味では、BPRと業務改善どちらも同じですが、改善する規模が異なるので、それぞれの言葉の意味を間違えないように注意しましょう。
>BPRとは?目的やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説!
>BPRと業務改善との違いとは?導入ポイントやメリットも解説!
2.BPRを実施する3つのメリット
BPRを実施するメリットは、以下の3つです。
- 業務の効率化に期待できる
- コスト削減につながる
- 従業員の帰属意識が向上する
順番に解説します。
2-1.業務の効率化に期待できる
BPRを実施することによって、業務フローや業務内容を客観的に見つめ直せます。
客観的に見つめ直すことで、経営上のボトルネックが明確となります。洗い出したボトルネックを改善することによって、業務の効率化に期待できるのです。
2-2.コスト削減につながる
BPRを実施することで、これまでボトルネックとなっていた部分が改善できます。
不要な業務を削減することによって、労働時間が短縮されて残業時間が減少したり、人件費を軽減したりするなどのコスト削減につながるのです。
2-3.従業員の帰属意識が向上する
近年日本では、少子高齢化社会による労働人口の減少に伴い、人材を確保することが難しくなってきています。
そのため、福利厚生や職場環境などの改善に努めている企業も少なくありません。BPRを実施することによって、無駄な業務が削減されるため、長時間労働の抑制につながります。
また、好きな場所で仕事ができるリモートワークや、始業時間や終了時間などを自分で決められるフレックスタイム制などを導入することで、これまで以上に働きやすいと感じてもらえるようになります。
その結果、従業員の満足度が高まり、帰属意識の向上につながるのです。
3.BPRを実施するための5つのステップ
BPRを実施するためには、以下の5つのステップを意識してみましょう。
- 検討
- 分析
- 設計
- 実施
- モニタリング・評価
一つずつ解説します。
3-1.検討
検討段階では、業務フローや業務内容・組織の構造などから具体的にどの部分がボトルネックとなっているのかを洗い出します。
その後、上層部による話し合いで目的や目標を設定します。この時点でどこまでの業務を改善するのか、BPRの対象とする業務範囲も明確に決めておきましょう。
3-2.分析
目標の設定や業務範囲を決定したら、自分たちの現状を分析し、どのような方法でボトルネックを改善するのかを考えます。
ボトルネックの改善方法として、ABC分析もしくはBSC分析などの手法を活用するのがおすすめです。
- ABC分析:売上高やコスト・在庫などの項目に対して優先度を決めて管理するフレームワーク
- BSC分析:財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つの視点から業績を評価するフレームワーク
3-3.設計
設計段階では、BPRを実施するにあたっての方針や戦略を立てていきます。BPRの実施は上層部だけでなく、従業員の協力も必要なため、全員が納得のいく戦略を考えなければいけません。
戦略を立てたら、お互いに認識の相違が生まれないようにするためにも、全従業員に共有します。
また、設計の段階で改善していく課題に対して優先順位を決めておきましょう。優先度が低く、専門的な知識を必要としない場合には、業務の一部を外部に委託するアウトソーシングを利用するのがおすすめです。
3-4.実施
実際にBPRを実施します。BPRは、大規模な施策となるので、効果が出るまで時間がかかります。
そのため、従業員のモチベーションを維持するためにも短期的な目標を設定しておきましょう。全従業員でBPRを成功させるという意識を統一させることが大切です。
3-5.モニタリング・評価
最後に、BPRが成功したかどうかを判断するためにモニタリング・評価を行います。評価する基準として、以下の3つを確認しましょう。
- 予定通りの進捗具合となっているか
- 実施中に問題やトラブルが発生していないか
- 実施する前と実施した後で効果や成果はどれくらい変わったのか
定期的に確認しながら、BPRを成功させましょう。
>>BPRの進め方とは?目的や手法・メリットについても解説!
4.BPRを学べるおすすめの本10選
BPRを実施することによってさまざまなメリットがありますが、日本で実施された公開事例は少ないため、どのように行えばいいのか分からない担当者も多いはずです。
BPRを実施したいのであれば、本から基礎や実際の方法などを学習しましょう。BPRを学習できるおすすめの本は、以下の通りです。
- 最強の業務改革―利益と競争力を確保し続ける統合的改革モデル
- 上流モデリングによる業務改善手法入門
- 業務改革の教科書:成功率9割のプロが教える全ノウハウ (日本経済新聞出版)
- 儲かるメーカー改善の急所〈101項〉
- 業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ
- 6ステップで職場が変わる!業務改善ハンドブック
- 業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮したExcel実践の授業
- マンガでわかる業務改善プロジェクト新米プロマネ、奮闘中!
- 「ムダ時間を減らし」「ムダ時間を防ぐ」業務改善入門 (PARADE BOOKS)
- チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策
順番に解説します。
4-1.最強の業務改革―利益と競争力を確保し続ける統合的改革モデル
タイトル | 最強の業務改革―利益と競争力を確保し続ける統合的改革モデル |
著者 | A.T. カーニー・栗谷 仁(編著者) |
出版社 | A.T. カーニー・栗谷 仁(編著者) |
発売日 | 2012年6月8日 |
「最強の業務改革―利益と競争力を確保し続ける統合的改革モデル」は、数々の大手企業を相手にコンサルティングサービスを提供してきたA.T. カーニー氏と、戦略オペレーションのグループリーダーとして活躍した経験のある栗谷 仁氏による本です。
経営環境・マクロトレンドからみた業務改革の必要性や業務改革フレームワークから、業界別の業務改革の視点とアプローチ、事例紹介まで豊富なコンテンツが掲載されています。
BPRについて非常に分かりやすく書かれているので、初めてBPRを実施する担当者におすすめです。
4-2.上流モデリングによる業務改善手法入門
タイトル | 上流モデリングによる業務改善手法入門 |
著者 | 世古雅人、渡邊 清香 |
出版社 | 技術評論社 |
発売日 | 2010年11月23日 |
「上流モデリングによる業務改善手法入門」は、業務プロセスについてメインに書かれた本です。設計段階における業務プロセスの抽出方法や作成方法などについて学べます。
オリジナルの図によって説明されているので、具体的にイメージしながら読み進めることができます。
4-3.業務改革の教科書:成功率9割のプロが教える全ノウハウ (日本経済新聞出版)
タイトル | 業務改革の教科書--成功率9割のプロが教える全ノウハウ (日本経済新聞出版) |
著者 | 白川 克・榊巻 亮 |
出版社 | 日経BP |
発売日 | 2013年9月1日 |
「業務改革の教科書--成功率9割のプロが教える全ノウハウ (日本経済新聞出版)」は、実際に業務改革を行った企業の実例や現場で使用したツール・当事者の声などが書かれている本です。
最も重要な立ち上げ期についてやるべきことやユニークなBPRの実施方法などについても記載されているので、自分たちに合った方法で業務改革をしたい企業におすすめです。
4-4.儲かるメーカー改善の急所〈101項〉
タイトル | 儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉 |
著者 | 柿内幸夫 |
出版社 | 日本経営合理化協会出版局 |
発売日 | 2012年4月20日 |
「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」は、20年以上全国の工場で業務改善に携わってきた業務コンサルタントである柿内幸夫氏が書いた本です。
設計段階における業務を改善する上で、特に重要なポイントを101の項目に絞って書かれています。
「モノづくり」「現場改善の基本」「仕組みを改善する基本」「作業を改善する基本」など難易度や目的別に書かれているので、業務改善を検討中のモノづくり経営者には非常に参考になるでしょう。
4-5.業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ
タイトル | 業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ |
著者 | 沢渡 あまね・元山文菜 |
出版社 | 技術評論社 |
発売日 | 2020年11月6日 |
「業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ」は、従業員が抱えている問題にフォーカスして、業務改善するためのノウハウがつづられた本です。
累計24万部を突破しているほどの人気作品で、分析段階において非効率的な仕事のやり方を改善したい担当者におすすめです。
また、そもそも「業務改革」と「業務改善」の違いはなにか?という根本から、イラストや表を用いて分かりやすく解説されており、入門者でも非常に読みやすい特徴があります。
4-6.6ステップで職場が変わる!業務改善ハンドブック
タイトル | 6ステップで職場が変わる! 業務改善ハンドブック |
著者 | 日本能率協会コンサルティング |
出版社 | 日本能率協会マネジメントセンター |
発売日 | 2016年7月30日 |
「6ステップで職場が変わる!業務改善ハンドブック」は、経営戦略や研究開発などを行っている総合コンサルティングファームの日本能率協会コンサルティングが書いた本です。
本書の冒頭では「なぜ業務改革・改善が必要なのか」を具体的に解説されており、今業務改革や業務改善が求められる背景についても把握できます。
部門単位と会社全体の2つの観点から、業務改善の方法について書かれています。検討段階からモニタリング・評価の段階までステップごとに詳しく説明されているのが特徴です。
設計段階において重要な業務改善に必要となるフォーマット・ツールなどもご紹介をされているので、BPRとも親和性が高く網羅的に学習できます。
4-7.業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮したExcel実践の授業
タイトル | 業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮した Excel実践の授業 |
著者 | 永井 雅明 |
出版社 | SBクリエイティブ |
発売日 | 2020年4月11日 |
「業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮した Excel実践の授業」は、業務改善するにあたって役立つExcelについてのノウハウやスキルなどについて書かれた本です。
Excelにおける基本的な使い方はもちろん、関数やスケジュールの作成方法などについても学べます。
実際に本を読みながらExcelを操作できるので、効率的な学習が可能です。
4-8.マンガでわかる業務改善プロジェクト新米プロマネ、奮闘中!
タイトル | マンガでわかる業務改善プロジェクト新米プロマネ、奮闘中! |
著者 | 広兼 修 |
出版社 | オーム社 |
発売日 | 2020年8月12日 |
「マンガでわかる業務改善プロジェクト新米プロマネ、奮闘中!」は、プロジェクトマネジメントや業務改善などについて詳しく書かれた本です。プロジェクトの作成方法から成功するまでの手順が詳しく解説されています。
漫画のように読みやすくなっているので、普段から本を読まない人にもおすすめです。
4-9.「ムダ時間を減らし」「ムダ時間を防ぐ」業務改善入門 (PARADE BOOKS)
タイトル | マンガでわかる業務改善プロジェクト新米プロマネ、奮闘中! |
著者 | 矢代 隆嗣 |
出版社 | パレード |
発売日 | 2019年9月21日 |
「ムダ時間を減らし」「ムダ時間を防ぐ」業務改善入門 (PARADE BOOKS) は、タイトルにもある通り、なるべく無駄な時間を減らすことで効率的な業務を実現するための方法が書かれた本です。
実用性の高い内容が豊富に記載されているので、設計段階において業務の効率化を最優先にしたいのであれば、おすすめです。
4-10.チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策
タイトル | チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策 |
著者 | 沢渡 あまね |
出版社 | ダイヤモンド社 |
発売日 | 2017年7月6日 |
「チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策」は、さまざまな企業の業務改善を行ってきた沢渡あまね氏が、実際の体験談を基に書いた本です。シリーズ累計10万部を突破しており、業務改善における施策を全部で68個記載しています。
大企業から中小企業、町工場まで長時間労働や属人化などに頭を悩ませている担当者におすすめです。
5.まとめ
本記事では、BPRを学べるおすすめの本やBPRを実施するメリット・実際にBPRを実施するためのステップなどについてご紹介しました。
BPRを実施することで、業務の効率化やコストの削減など、さまざまなメリットが期待できます。
現在も新型コロナウイルス感染症が拡大しているので、業績を回復させたいのであれば、積極的にBPRを実施してみることをおすすめします。
BPRは国内で実施している企業はそこまで多くないので、今回の記事でご紹介した本を参考にしてみましょう。