コスト削減によって、増益や従業員のモチベーション向上につながるなど、さまざまな効果が期待できます。
しかし、具体的にどのような手順でコスト削減を実施すればいいのか分からないという担当者も少なくありません。
そんなときにおすすめなのが、コンサルティングです。
コンサルティングを活用することで、どのような効果が得られるのか気になる担当者も多いはずです。
そこで本記事では、コスト削減を実施するにあたってコンサルティングを活用するメリットやデメリット・おすすめのコンサルティング会社などについてご紹介します。 コンサルティングの活用を検討している担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
1.コスト削減することで得られる効果
多くの企業では、主に以下のようなコストが発生しています。
- 人件費:自社で働く従業員にかかるコスト
- 採用コスト:新卒採用や中途採用など、新たな人材を採用する際にかかるコスト
- オフィスコスト:賃料や電気代・水道代など、オフィスを利用するにあたってかかるコスト
- IT機器関連コスト:パソコンやタブレットなど、業務で使用するIT機器にかかるコスト
そのほかにもさまざまなコストがかかっているので、大きな負担となっている企業も少なくありません。
しかし、コスト削減を実施することで無駄な業務を減らせるため、業務の効率化や増益が期待できます。
また、増益した一部の利益を従業員に還元することによって、モチベーションの向上にもつながるのです。
1-1.コスト削減を実施する上でBPRの視点も重要
コスト削減とBPRは密接な関係にあります。
BPRとは「Business Process Re-engineering」の略称であり、既存の業務内容や業務フロー・組織の構造などを根本的に見直す施策のことです。
コスト削減は、BPRの施策の一環です。
そのため、BPRを検討する上でコスト削減を実施する企業も少なくありません。
今後のBPRをスムーズに進めるためにも、コスト削減の視点を意識しましょう。
>>BPRとは?目的やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説!
2.コスト削減におけるコンサルティングとは?
コスト削減を実施するにあたってコンサルティングを活用する企業も少なくありません。
コスト削減におけるコンサルティングとは、企業の現状を分析した上で問題や課題を把握し、解決するための方法を提示したり、施策を実行したりするサービスのことで
す。
コンサルティングを活用することで、コスト削減の専門知識を持つプロのコンサルタントがトータルでサポートしてくれます。
そのため、人件費や採用コスト・オフィスコストなどはもちろん、そのほかのあらゆるコストを削減することが可能です。
3.コスト削減においてコンサルティングを活用するメリット
コスト削減においてコンサルティングを活用するメリットは以下の3つです。
- 効率的にコスト削減が進められる
- 客観的な意見が得られる
- 成功確率が高くなる
順番に解説します。
3-1.効率的にコスト削減が進められる
コスト削減を実施するにあたって専門的な知識を求められることがあります。
専門的な知識を習得している人材が社内にいない場合には、自分たちで調べなければいけないため、時間がかかります。
しかし、コンサルティングを活用することでコスト削減におけるプロから適切なアドバイスがもらえるので、効率的に実施することが可能です。
3-2.客観的な意見が得られる
自社だけでコスト削減を実施する場合、主観的に物事を判断してしまい、具体的にどのコストを削減すればいいのか分からなくなるという担当者も少なくありません。
特に事業規模が拡大すれば、変動費や固定費の内訳についてもあいまいになるケースが見受けられます。
例えば、損益計算書内に定められている「販売費及び一般管理費」は、以下のようにさまざまな費用が計上されています。
・役員報酬
・役員賞与
・給料手当
・法定福利費
・福利厚生費
・外注費
・広告宣伝費
・旅費交通費
・会議費
・交際費
・通信費
・事務用品費・消耗品費 など
また損益計算書には、あくまでも「販売費及び一般管理費」の合計値が記載され、具体的な内容は「販売費及び一般管理費の明細」に記載されます。
このことから、どこに何の費用が発生しているのか不透明になりやすく、客観的にどのコストを削減すればいいのか分かりづらいのも特徴です。
しかし、コンサルティングを活用することでコストの内訳が明確になり、第三者の視点から真っ先にどのコストを削減すればいいのかアドバイスをしてもらえます。
その結果、自社が抱えている課題を明確に分析できるのです。
3-3.成功確率が高くなる
企業におけるコストは、主に不要なコストと必要なコストの2種類に分かれています。
誤って必要なコストを削減してしまった場合、従業員の負担がこれまで以上に大きくなり、業務クオリティや従業員のモチベーション低下につながる恐れがあるので注意が必要です。
コンサルティングでは、コスト削減におけるプロが現状の分析からコストの仕分け・施策の実行までトータルでサポートしてくれます。
そのため、自社だけで実施するよりも成功確率を高めることが可能です。
4.コスト削減においてコンサルティングを活用するデメリット
コンサルティングの活用は、メリットだけでなくデメリットもあります。
主なデメリットは以下の3つです。
- 費用がかかる
- 担当者との相性が合わないことがある
- 成功するという保証はない
一つずつ解説します。
4-1.費用がかかる
コンサルティングを活用する場合、当然ですが費用がかかります。
自社の規模が大きいほど、依頼する費用も高額になるケースがほとんどです。
また、依頼している途中で追加の業務が発生してしまうと、見積もりで提示してもらった金額よりもさらに費用がかかる可能性があります。
そのため、追加で費用が発生することを考慮した上で予算を確保しておきましょう。
コスト削減コンサルティングの主な費用形式は以下の通りです。
費用形式 | 内容 |
プロジェクト報酬 | 関与した時間×単価で算出される報酬形式。各コンサル会社によってチャージレート(時間単価)が決まっています |
成果報酬 | 成果に応じた報酬を上乗せする形式。コスト削減に成功したら、成果の約20%が上乗せになるなど |
このように、コンサルティング会社によって採用する費用形式が異なります。
コスト削減を依頼する際には、各社に定められている費用を慎重に検討することをおすすめします。
なお詳しい料金形態を知りたい方は「7-1.料金形態」を参考にしてみてください。
4-2.担当者との相性が合わないことがある
実績のあるコンサルティング会社に依頼しても、担当者との相性が合わないことがあります。
その結果、期待していた成果が出なかったり失敗したりする可能性もあるので、注意が必要です。
コスト削減は企業にとって大規模な施策のため、担当者との相性が合わない場合には、途中で変更してもらいましょう。
4-3.成功するという保証はない
コンサルティングを活用することで成功確率は高まりますが、確実に成功するという保証はありません。
あくまでもコンサルティングはサポートの一環であり、成功するかどうかは自社の頑張り次第です。
そのため、コスト削減を成功させたいのであれば、コンサルティングに丸投げするという感覚ではなく、「自分ごと」と捉える意識も必要です。
またコスト削減における成功要因の一つとして、コンサルティング会社にも得意領域が存在します。
広告やマーケティングに強い会社や製造業に特化した会社などさまざまですので、ぜひ成功確率を高めるためにも、コンサル会社の実績を確認しましょう。
5.コスト削減におすすめのコンサルティング会社6選
コスト削減を実施するにあたって、おすすめのコンサルティング会社は以下の6社です。
- 株式会社イコール・パートナーズ
- 株式会社プロレド・パートナーズ
- ビズキューブ・コンサルティング株式会社
- 株式会社PLAN SEED
- ウチダエスコ株式会社
- 株式会社ウィザーズプラス
順番に解説します。
5-1.株式会社イコール・パートナーズ
株式会社イコール・パートナーズは、外資系大手の出身者を中心に構成されたチームを展開しているコンサルティング会社です。
「情報力」「分析力」「実行力」の3つを兼ね備えており、お客様の状況に合わせた柔軟な提案を強みとしています。
コスト削減コンサルティングも強みに掲げており、他社が実施する価格交渉にとどまらず、代替手段の提案や最新テクノロジーを活用したコスト削減にも対応可能です。
また「コスト削減コンサルティングページ」では、実際にどのようなコストを削減してきたのかコスト削減例も掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。
無料の簡易診断を実施しており、気になる方は申し込みしてみましょう。
また、業務改革におけるDXコンサルティングサービスも提供しているので、DX化を検討している企業にもおすすめです。
5-2.株式会社プロレド・パートナーズ
株式会社プロレド・パートナーズは、50費目以上に対応した約100名の専門コンサルタントが在籍しているコンサルティング会社です。
【取扱費目例】
・エネルギー系コスト
・金融系コスト
・オフィス系コスト
・施設系コスト
・原価系コスト
・工事建材コスト
・物流系コスト
・IT系コスト など
費目ごとのコストマネジメント手法にこだわっており、これまで1,000社以上のコスト削減を実現しています。
完全成果報酬型のため、効果が実感できるまで責任を持ってプロジェクトを進めてもらえます。
また東京証券取引所プライム市場に上場しており、初めてコンサルティングを利用する場合でも安心してお任せできるでしょう。
5-3.ビズキューブ・コンサルティング株式会社
ビズキューブ・コンサルティング株式会社は、品目や購入形態に応じた5つの手法を用いてコスト削減を実施するコンサルティング会社です。
コストの構造を分析して可視化することで、自社に合ったコストの見直しができます。
成功報酬型のため、低リスクでコスト削減を依頼できるのも強みの一つです。
「事業コスト削減コンサルティングページ」では購買コストの削減が見込める品目として、以下が挙げられています。
- 事務用品
- 検査工具・用品
- 人材派遣
- 広告宣伝費
- 事務備品
- 消耗品
- ビジネスサポート
- 情報システム
- 運用サービス
- 包装・梱包材 など
アウトソースを活用し、効率よく事業コストを削減したいのであれば、おすすめです。
5-4.株式会社PLAN SEED
株式会社PLAN SEEDは、水道料金やガス料金・電気料金など、合計5種類のコストが削減できるコンサルティング会社です。
コストを削減するというよりも、コストを適正化することによって、結果的に削減を進める「コスト適正化コンサルティング」に強みを持つのが特徴です。
コスト削減を実施するにあたって現在の状況を無料で診断してくれます。
その後、診断結果を基に自社に合った適正なプランが提案されます。
低圧電力の電気料や都市ガス料金を適正化するケースでは、着手から最短1ヵ月で適正化が完了するそうです。
完全報酬型となっており、契約終了後のアフターフォローとしてご相談は無償で受け付けているので安心です。
5-5.ウチダエスコ株式会社
ウチダエスコ株式会社は、これまで400社以上の事例と実績がある「経費削減コンサルティング」を提供している会社です。
これまでの経費支出データを提出することで、以下の4つの要素を基準に最適なコンサルティングを行ってもらえます。
・単価
・数量
・仕様
・運用
新たな仕入れ先の交渉から実際の施策までトータルでサポートしてもらえるので、通常の業務と並行しながら実施することが可能です。
コスト削減のほかにもDX支援やシステムの保守運用なども提供しているので、気になる方は一度問い合わせをしてみましょう。
また、経費削減コンサルティングに関しては無料初期コンサルティングも提供されています。
5-6.株式会社ウィザーズプラス
株式会社ウィザーズプラスは、施設やIT・物流など、さまざまな項目のコストを削減できるコンサルティング会社です。
これまで600社以上の支援実績があり、複数のアプローチ手法を用いてコスト削減を実現しています。
オンライン面談であれば即日対応も可能なため、早急にコスト削減を実施したい企業におすすめです。
面談の際には1年分の総勘定元帳が必要となるので、忘れずに準備しておきましょう。
6.コンサルティングの活用によってコスト削減が成功した事例3選
コンサルティングの活用によってコスト削減が成功した事例を3つご紹介します。
・河島コンクリート工業株式会社|株式会社ウィザーズプラス
・日本プラスト株式会社|株式会社ウィザーズプラス
・サービス業|株式会社プロレド・パートナーズ
6-1.河島コンクリート工業株式会社|株式会社ウィザーズプラス
生コンクリートの製造や販売を行っている河島コンクリート工業株式会社では、営業利益を伸ばすためにこれまで独自の手法でコストを見直していました。
しかし、さらなるコスト削減のためにコンサルタントを活用したとのことです。
その結果、携帯電話代や電気代・ガス代など合計5費目のコスト削減に成功し、コストに対する従業員の意識向上にもつながりました。
今後はコンサルティングで教わったノウハウを生かして、着手できなかった費目のコスト削減を実施していきたいと述べています。
参考:河島コンクリート工業株式会社|株式会社ウィザーズプラス
6-2.日本プラスト株式会社|株式会社ウィザーズプラス
自動車用安全部品や樹脂製品の製造・販売などの事業を展開している日本プラスト株式会社では、業務改革を実施するためにコンサルティングを活用することにしました。
その結果、コンサルタントから客観的なアドバイスがもらえたことでさまざまな問題点に気づくことができ、コスト削減やこれまで取り組めなかった施策の実現に成功したとのことです。
従業員の意識も変化し、現在では一人ひとりがコスト削減や業務の改善に取り組むようになったと語っています。
6-3.サービス業|株式会社プロレド・パートナーズ
サービス業においてオフィスレイアウト工事費用の削減をゴールとした株式会社プロレド・パートナーズ支援による事例。
オフィスレイアウト工事をオフィス移転PM会社に任せていましたが、想定よりも工事費用が膨らみ課題に感じていたそうです。
そこで、同社が介入し施工会社から提出された図面と照合することで、要求よりも高い水準になっている設計部分を抽出し、設計変更によるコスト削減を実施。
その結果、工事費用を17.3%も削減することに成功したのです。また、コスト削減により従業員がコア業務に集中できるという波及効果も生まれました。
参考:オフィス移転先レイアウト工事費用 PM会社が参画している状況下で工事費用を削減|株式会社プロレド・パートナーズ
7.コスト削減におけるコンサルティング会社を選ぶ3つのポイント
コスト削減を実施するにあたってコンサルティング会社を選ぶ場合、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 料金形態
- 対応してくれる業務範囲
- これまでの実績
順番にご紹介します。
7-1.料金形態
コンサルティング会社に依頼する上での料金形態は、大きく分けて以下の3パターンがあります。
・成果報酬型:成果に応じて報酬を支払う料金形態
・プロジェクト報酬型:時間と単価に応じて報酬を支払う料金形態
・定額報酬型:時間や成果に関係なく、毎月支払う報酬が決まっている料金形態
それぞれメリット・デメリットがあるので、自社に合った料金形態を提供してくれるコンサルティング会社を選びましょう。
7-2.対応してくれる業務範囲
コンサルティング会社によって、対応してくれる業務範囲が異なります。
そのため、契約後に対応してほしい業務範囲が対象外だった場合には、新たなコンサルティング会社を探さなければいけません。
時間が非常にもったいないので、「どこまでの業務範囲を対応可能なのか」契約する前に必ず確認しましょう。
7-3.これまでの実績
実績があるコンサルティング会社に依頼することで、コスト削減の成功確率が高まります。
そのため、気になるコンサルティング会社を見つけたら、これまでの実績があるかチェックしましょう。
実績はホームページに掲載されていることがほとんどです。
しかし、非公開にしているコンサルティング会社もあるので、実績が見つけられない場合には、一度お問い合わせしてみるのがおすすめです。
8.まとめ
本記事では、コスト削減を実施するにあたってコンサルティングを活用するメリットやデメリット・おすすめのコンサルティング会社などについてご紹介しました。
コンサルティングを活用することで、効率的にコスト削減が進められたり、成功確率が向上したりするなどの効果が期待できます。
ただし、成功する保証があるわけではないので、勘違いしないようにしましょう。
本記事を参考に、料金形態やこれまでの実績などを確認した上で自社に合ったコンサルティング会社を検討してみてください。
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