多くの企業では、業務を自動化してコストの削減や効率化を図りたいと考えています。
業務を自動化するためにはツールやシステムが必要となりますが、種類が豊富にあるので、どれを選べばいいのか分からないという担当者も少なくありません。
また、業務を自動化する方法について知りたい担当者も多いはずです。
そこで本記事では、業務を自動化するメリットや実際の進め方・おすすめのツールやシステムなどについて解説します。
なお業務自動化するメリットや進め方は理解しているという方は、「5.おすすめの業務自動化ツールやシステム7選」へ飛んでいただけるとスムーズに閲覧可能です。
これから業務の自動化を検討しているのであれば、ぜひ最後までご覧ください。
1.業務の自動化とは?BPRとの関係性について
業務の自動化とは、これまで人間が行っていた業務をIT技術の活用によって自動化することです。
最近ではBPRを実施する企業が増えたことで、さらに業務の自動化が推進されるようになってきています。
BPRとは「Business Process Re-engineering」の略称であり、業務内容や業務フロー・組織の構造などを根本的に見直す施策のことです。
BPRを実施することで業務プロセスにおけるボトルネックを見つけ出し、改善することで業務の効率化や従業員満足度の向上などが期待できます。
1990年代のアメリカで元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー氏と、経営コンサルタントのジェイムス・チャンピー氏の2名が提唱したことがきっかけで誕生しました。
1993年に出版された書籍「リエンジニアリング革命」は日本でも普及しましたが、バブルの崩壊時期と重なったこともあり、リストラを助長させてしまい失敗に終わりました。
しかし、現代の日本では、少子高齢化による労働人口の減少や働き方改革・新型コロナウイルス感染症などの影響によって、これまでのやり方では業務が成立しなくなってきています。
現状を改善するためにも、BPRが再び注目を浴びているのです。BPRを成功させるための施策として、業務の自動化が欠かせません。
BPRとは?目的やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説!
2.業務を自動化する3つのメリット
業務を自動化するメリットは以下の3つです。
- ヒューマンエラーが起きにくくなる
- コストが削減できる
- 業務効率化につながる
一つずつ解説します。
2-1.ヒューマンエラーが起きにくくなる
これまでの業務はすべて従業員が行っていたので、ヒューマンエラーが発生することもありました。
しかし、業務の自動化によってツールやシステムに一任できるようになります。
その結果、ヒューマンエラーが起きにくくなり、業務クオリティの向上につながるのです。
2-2.コストが削減できる
業務の自動化に伴い、ツールやシステムを導入する必要があります。
ツールやシステムを導入するにあたって初期費用やランニングコストがかかりますが、残業時間や外注費などの大幅な削減につながります。
その結果、トータルで考えるとコストの削減が期待できるのです。
2-3.業務効率化につながる
業務を自動化することで、これまでの業務をツールやシステムが代わりに行ってくれます。
その分のリソースをほかの業務に割けるようになるので、業務の効率化につながるのです。
3.業務を自動化する3つのデメリット
業務の自動化は、メリットだけでなくデメリットもあります。
主なデメリットは以下の3つです。
- システムやツールによるエラーが原因で業務が停止する可能性がある
- 業務がブラックボックス化する恐れがある
- 体制を構築するまで時間がかかる
順番に解説します。
3-1.システムやツールによるエラーが原因で業務が停止する可能性がある
業務を自動化するにあたってツールやシステムを導入しますが、何らかのエラーが発生することもあります。
その結果、業務そのものが停止してしまい、大きな損失となる可能性があるので、メンテナンスを欠かさず行いましょう。
3-2.業務がブラックボックス化する恐れがある
業務を自動化すると従業員が仲介しなくなり、ツールやシステムに任せっきりになることも少なくありません。
その結果、業務がブラックボックス化する恐れがあるので、定期的にチェックしましょう。
3-3.体制を構築するまで時間がかかる
業務を自動化するためには、ツールやシステムの操作方法を覚えなければいけません。
そのほかにも、性能や機能を把握したり業務範囲を設定したりしなければいけないので、体制を構築するまで時間がかかります。
4.業務の自動化を行うための7つのステップ
業務の自動化は、以下の7ステップで進められます。
- 業務を自動化するための明確な目標を設定する
- 自動化したい対象の業務をリストアップする
- 業務を自動化する方法を選ぶ
- 小さな規模で実施する
- 実施結果を基に課題を分析・改善する
- 業務の自動化を本格的に行う
- PDCAを回す
順番に解説します。
4-1.業務を自動化するための明確な目標を設定する
業務を自動化することで業務の効率化やコストの削減など、さまざまなメリットが期待できます。
しかし、抽象的な目標だと具体的にどのようにアクションを起こせばいいのか分からなくなり、失敗する可能性が高くなるので、「自社がどのようになりたいのか」明確な目標を設定しましょう。
4-2.自動化したい対象の業務をリストアップする
自動化したい対象の業務をリストアップしていきます。
ただし、業務によっては自動化するのが困難な場合もあるので注意が必要です。
以下の3つの条件と照らし合わせながら、自動化したい業務を選定しましょう。
- データ化が可能
- ルールが明確に定められている
- 業務内容が単純である
4-3.業務を自動化する方法を選ぶ
業務を自動化する方法を選びます。
業務を自動化する代表的な方法として、以下の3種類が挙げられます。
- RPA
- マクロ
- AI
自動化できる業務や導入に必要なコスト・導入方法などが異なるため、それぞれの特徴を把握した上で自社に合った方法を選びましょう。
4-4.小さな規模で実施する
最初から対象となる業務をすべて自動化してしまうと従業員の負担が大きくなり、失敗する可能性が高くなります。
そのため、まずは小さな規模から業務を自動化していきましょう。
4-5.実施結果を基に課題を分析・改善する
小さな規模で実施したデータを基に、課題を分析・改善していきます。
現在の方法が少しでもやりづらいと感じたら、別の方法に切り替えることも検討しましょう。
4-6.業務の自動化を本格的に行う
本格的に業務の自動化を行います。別の問題が新たに発生する可能性もあるため、従業員同士でコミュニケーションを図りながら慎重に実施していきましょう。
4-7.PDCAを回す
業務を自動化する上で、体制を整えるまでには時間がかかります。そのため、定期的にPDCAを回すことを意識しましょう。
5.おすすめの業務自動化ツールやシステム7選
おすすめの業務自動化ツールやシステムは以下の7つです。
- WinActor|NTTアドバンステクノロジ株式会社
- Tebot|株式会社アノテテ
- AIGIJIROKU|株式会社オルツ
- Sansan|Sansan株式会社
- チャットプラス|チャットプラス株式会社
- RoboTANGO|スターティアレイズ株式会社
- AUTORO|オートロ株式会社
順番に解説します。
5-1.WinActor|NTTアドバンステクノロジ株式会社
NTTアドバンステクノロジ株式会社が提供しているWinActorは、金融業や物流業・小売業など、さまざまな業界で幅広く活用されており、これまで7,500社以上の企業が導入しているRPAツールです。
7つの特許技術を活用しており、ワークライフバランスの向上や業務改善などが期待できます。
販売代理店が全国にあるため、実際の現場で導入から使い方まで丁寧にサポートしてもらえます。
プログラミング未経験者でも直感的に操作できるような仕様となっているため、初めて利用する方でも安心です。
5-2.Tebot|株式会社アノテテ
株式会社アノテテが提供しているTebotは、シンプルなUIで簡単に操作できるチャットボットサービスです。
ユーザーからだけではなく、社内からの問い合わせ対応も自動化できます。
有人チャットへの切り替えや、あらかじめ質問されるような内容を選択形式で作成するシナリオ登録など、必要な機能はすべて搭載されているので、導入してからすぐに利用可能です。 初期費用がかからず、月額3万円のみで運用できるので、コストを抑えたい企業におすすめです。
5-3.AIGIJIROKU|株式会社オルツ
株式会社オルツが提供しているAIGIJIROKUは、導入企業数が既に5,000社を突破している自動議事録ツールです。
会議やミーティングなどで話し合った内容を自動で記録してくれるため、情報の共有がスムーズです。
音声認識精度は99.8%と非常に高く、ZOOMと連携するだけで発言を字幕表示できるので、お互いに理解を深めながら話し合いが進められます。
リアルタイムで約30ヵ国語にも対応しているので、グローバルに展開している企業にもおすすめです。
5-4.Sansan|Sansan株式会社
Sansan株式会社が提供しているSansanは、営業におけるDX化を推進するサービスです。
8,000社以上の導入実績があり、従業員規模や売上高などの情報を企業データベースとして標準搭載しているので、さまざまな用途で活用できます。
また、オンラインの商談において名刺交換ができるだけでなく、名刺をデータ化することも可能です。
その結果、社内で一元管理できるようになり、データ化した名刺を利用することで、リスト作成の効率化が期待できます。
5-5.チャットプラス|チャットプラス株式会社
チャットプラス株式会社が提供しているチャットプラスは、導入企業が10,000社以上の実績を誇るチャットボットサービスです。
オフィシャルサイトには、チャットプラスを導入することで、コストを80%まで削減できるなどの実績が掲載されています。
レポート分析機能やファイル添付機能など、約5,000個の機能を搭載しており、ユーザーに合わせた柔軟な対応が可能です。
操作方法が非常に簡単で、LINEやSlackなどのサービスともシームレスに連携できます。
5-6.RoboTANGO|スターティアレイズ株式会社
スターティアレイズ株式会社が提供しているRoboTANGOは、1つのライセンスで複数のパソコンから利用可能なRPAツールです。
画面の操作を録画するだけで簡単にロボットが作成できるため、専門的なスキルや知識は必要ありません。
作成したロボットを活用することで、書類の作成や給与計算などの事務作業を大幅に短縮できます。
月額5万円(1ライセンス)〜利用できるため、予算を抑えてRPAツールを導入したい企業におすすめです。
5-7.AUTORO|オートロ株式会社
オートロ株式会社が提供しているAUTOROは、クラウド型のRPAツールです。
レポーティングやECサイトにおける画像のアップロード・勤怠システムの管理など、クラウド上の業務をまとめて自動化できます。
料金プランは3種類、サポートプランは2種類あるので、自社の予算に合わせて選べます。
2週間は無料で利用できるトライアル期間も設けているため、気になる担当者は試しに申し込みをしてみましょう。
6.業務自動化ツールやシステムを選ぶ際の5つのポイント
業務自動化ツール・システムを選ぶ際には、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- サポート体制が整っているか
- 機能が充実しているか
- 使いやすいか
- 既存の社内システムと連携が可能か
- 実績があるか
一つずつ解説します。
6-1.サポート体制が整っているか
業務自動化ツールやシステムによっては導入するまでの手順が複雑だったり、操作方法が難しかったりすることもあります。
また、エラーやバグなどのトラブルが発生する可能性もあるので、いつでも気軽に相談できるようなサポート体制が整っているかどうかを一つの基準とするのもおすすめです。
6-2.機能が充実しているか
業務自動化ツールやシステムを選ぶ上で、機能が充実しているかどうかも重要です。
なぜなら、機能が少ないと自社が希望としている業務を自動化できない恐れがあるからです。
そのため、導入する前にどのような機能が搭載されているのかを必ず確かめましょう。
6-3.使いやすいか
業務自動化ツールやシステムは長期的に活用していくため、使いやすいかどうかも選ぶ上での重要な判断基準の一つです。
ただし、実際に使ってみないと分からなので、無料で利用できるトライアル期間が設けられている場合には、積極的に申し込みしてみましょう。
6-4.既存の社内システムと連携が可能か
業務自動化ツールやシステムを導入した際に既存の社内システムと連携ができなければ、無駄な工数が発生する可能性があります。
そのため、効率的に業務の自動化を行いたのであれば、既存の社内システムと連携可能な業務自動化ツールやシステムを選びましょう。
6-5.実績があるか
さまざまな種類の業務自動化ツールやシステムがあるので、どれを選べばいいのか分からないという担当者も少なくありません。
そんなときには、実績がある業務自動化ツールやシステムを選びましょう。
実績があるかどうかは、オフィシャルサイトの実績ページにて判断可能です。
親切なオフィシャルサイトであれば、課題や業態別の導入実績が掲載されているので、参考にしてみてください。
実績がある業務自動化ツールやシステムを利用することで、導入支援が受けられたり、サポート体制が整っていたりするため安心して利用できます。
7.まとめ
本記事では、業務を自動化するメリットや実際の進め方・おすすめのツールやシステムなどについて解説しました。
時代の流れによって、業務の自動化を進める企業が増えてきています。
業務の自動化を進めるためには、ツールやシステムを導入する必要があるため、本記事を参考に、自社に合ったツールやシステムを選びましょう。
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